妻が頑張ってくれました。最終的に帝王切開となったのですが、今までが大変だった分、幸せもひとしおです。
帝王切開になることは決まっていたので、当日は9:00に病室に到着し、9:15に先生から手術の説明を受けました。妻は手術の準備があるので一旦別れ、手術室には一緒に向かいました。10:00に手術開始だったのですが、私は手術室近くの控えスペースで待つことになりました。ここ、長く感じましたね。帝王切開で妻は意識がある状態で頑張ってくれていたのですが、僕は待つしかできない。立ち会いの分娩ができればまだ声をかけるくらいはできたのですが、本当に待つだけです。当日は曇り時々晴れで、手術時は厚い雲が空を覆っていました。雨が降らなくて良かったなあとか、外は温かいというか少し暑いくらいの気候になっていて、産まれるにはちょうどいい日だなあとか、いろいろなことを考えながら待っていました。
11:38に唐突に看護師さん(助産師さん?)から声をかけられてハッとしました。「はい、はい」と慌てて荷物を持ちながら待合スペースから廊下に進むと、ちょうど赤ちゃんを入れるキャリー装置がこちらに向かってきました。「本当に産まれたんだあ」と少しぼんやりと思いながら足を進めると、装置に入った新生児がそこにいました。僕は産声を聴いておらず、泣き声もあげずに、子供は静かに目を閉じて横たわっていました。こういう時、涙が出たとか号泣したとかそういう話はたくさんあると思うんですが、僕自身はまだフワフワした、現実感がないなあというのが本音でした。抱っこしたりとかそういうことをしなかったからかもしれませんが、最初の感情はこうでした。
妻はまだ手術が終わっておらず、僕はその後13:00過ぎまで同じスペースで待っていたのですが、ここでようやく実感が湧いてきました。自分の腹の底からジワジワと「父親になったんだなあ、子供が産まれてきてくれたんだなあ」と考えていました。妻が帰ってきた時は麻酔の効果であまり意識ははっきりしていない様子だったのですが、とにかくお疲れ様、そしてありがとうという言葉を伝えました。
妻と一緒に入院している病室のフロアに行ったところで「旦那さんは今日はこれで終わりで、明日にまた来てくださいね〜」とのこと。心残りではあったのですが、ここで病院を出ました。なんとなく病院近くでうだうだしていたものの、流石に一回帰るかと思い電車に乗ったところで妻から連絡が。「面会に来てもいいと許可が出た」とのことで、慌てて病院にUターンしました。多分これ、実際に看護師さんは許可は出していない?みたいだったのですが、病院側のご厚意でもう一度妻と子供に会うことができました。まだ抱っこは出来なかったのですが、近くで眺める子供はやっぱりメチャクチャ可愛いな、と心から思いました。
この後、いつも行っているバー「moja」に行ってみんなにお祝いしていただきました。皆さんありがとうございます。