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【雑司ヶ谷霊園】文豪たちのお墓参りに行ってきました

妻が最近オンラインの読書会によく参加していまして、夏目漱石の『こころ』がお題の会があったそうです。で、読書会の前に思い立って家族で雑司ヶ谷霊園を訪れました。夏目漱石だけじゃなくて永井荷風小泉八雲といった文豪たち、ジョン万次郎や竹久夢二など、歴史に名を刻んだ著名人が眠る場所です。都内に住んでいると教科書で学んだ人たちにゆかりの場所が思いの外近いこともあるので、これを機会に一度行ってみようということで行ってきました。

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都電荒川線都電雑司ヶ谷駅を降りるとすぐに霊園が見えます。足を踏み入れると、周囲の喧騒が嘘のように遠ざかったようなのどかな雰囲気です。ただすぐ後ろを振り返ると池袋のでかいビルがニョキニョキ生えているので何か不思議な光景でもありますね。最初に夏目漱石のお墓、次に永井荷風小泉八雲と続き、さらにジョン万次郎や竹久夢二のお墓も見つけることができました。それぞれのお墓に個性があって、名前を目にするたびに「ああ、教科書や岩波文庫で見かけた人だあ」と小学生並みの感想を漏らしてました。

しかし正直なところ、彼らの名前は知っていても、その業績や作品については意外と知らないことが多いなと改めて思いました。夏目漱石は『こころ』や『坊ちゃん』、『草枕』、『行人』あたりは学生時代に読んでいますが、『吾輩は猫である』はまだ手をつけていません。あの有名な「吾輩は猫である。名前はまだ無い」という書き出しとラストシーンはなんとなく知っているんですが、中身はよく知らない。永井荷風もそうです。『あめりか物語』や『断腸亭日乗』のタイトルは耳にしたことがありますが、実際にページをめくったことはありません。小泉八雲はもともと外国人で『怪談』が有名ですが、読んだことがあるかと言われると…という感じです。ジョン万次郎は、幕末にアメリカに渡った初めての日本人として歴史の教科書で習った覚えがあります。しかし他のイメージは『お〜い!龍馬』で出てくる馬面の兄ちゃんしかありません。竹久夢二も、大正ロマンを象徴する美人画で有名ですが、その絵をじっくり眺めたこともなければ、彼の詩や文章に触れたこともあまりありません(京都旅行で多少、作品に触れましたが)。こうやって考えると、名前だけが頭に残っていて、本質に触れる機会を逃してきたんだなと反省しました。

墓参りをしながら、そんなことをぼんやり考えていました。彼らが生きていた時代、このあたりを歩き、思索に耽り、作品を生み出していたんだと思うと、感慨深いものがあります。夏目漱石が猫の視点で世の中を風刺したり、永井荷風が東京の裏町を歩きながら筆を走らせたり、小泉八雲が日本の古い物語に耳を傾けたり。そうした時間が、この場所に確かに流れていたんだなと感じます。

帰り道、改めて彼らの作品に触れてみようという気持ちが強くなりました。名前を知っているだけではなく、彼らが何を思い、何を残したのか探ってみようかなと、そんなことを考えながら駅に向かいました。普段の生活の中で、彼らの存在は遠い過去のものに感じますが、こうやって足を運んでみると、意外と身近に感じられる瞬間があります。彼らの作品を通じて、また新しい発見があるかもしれませんね。

それでは。