Elecmanのブログ

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『ドールハウス』

怖いよ。

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X(旧Twitter)で人形CTスキャンのシーンが普通に怖いっていう呟きを見て、なんじゃそりゃと思ってました。…いや普通に怖かったよ。

5歳の娘・芽衣を亡くした鈴木佳恵(長澤まさみ)と夫の忠彦(瀬戸康史)。
哀しみに暮れる佳恵は、骨董市で見つけた、芽衣によく似た愛らしい人形をかわいがり、 元気を取り戻してゆく。
佳恵と忠彦の間に新たな娘・真衣が生まれると、2人は人形に心を向けなくなる。
やがて、5歳に成長した真衣が人形と遊ぶようになると、一家に変な出来事が次々と起きはじめる。
佳恵たちは人形を手放そうとするが、捨てても捨てても、 なぜかその人形は戻ってくる…… !
人形に隠された秘密とは?そして解き明かされる衝撃の真実とは―― !?

親としては胸が締め付けられる

母親が娘を亡くしてしまうところから全てが始まる作品なんですが、小さい子供を持つ親としてすごい胸にきますよ。ちょっと目を離した間に取り返しのつかないことになってしまった、母親役の長澤まさみの絶叫が耳にこびりつきます。自分がもしあの立場だったとしたら、可愛い盛りの娘を失ったら自分も立ち直れる気がしません。失意の母親が偶然見つけてきた人形がとんでもない代物だったわけなんですが…。人形に出会うまでの描写がとにかく悲痛で、人形を可愛がる描写も、悲しいけれどそうなっちゃう人もいるよなあ、と思わせる説得力があります。

しかし、次の娘を妊娠したことでこの人形はお払い箱になってしまい、押し入れに押し込められてしまいます。この流れは物語の進め方としては分かりますが、あんな扱いはないんじゃないかなと思います。空白を埋めてくれた大事な「娘」じゃないですか。そりゃ次女は可愛いけど、あんな奥底に押し込むか?って。

人形CTスキャン怖いよ

次女が5歳になって再び穏やかな暮らしを手に入れた母親ですが、ある日次女が押入れに押し込められていた人形を持ち出してきて、「あやちゃん」と呼んで遊び始めます。そうしたら次々と変なことが起こり始めて…というベタな流れなんですが、丁寧な描写もあって、しっかり怖い作品に仕上がってます(多少びっくり要素はあります)。

人形がなんか変だってことで、夫の勤め先が病院なことを活かして人形CTスキャンという荒技なシーンが出てきます。予告で観た時は半笑いだったのですが、本編でこのシーンは鳥肌ものでした(まじで背筋がゾワっとしました)。劇場でもちょっとした悲鳴もあがってて、こういうのは映画館で観る醍醐味ですよね。

その後の展開は実際に観ていただくとして、ラストは由緒正しいJホラーらしいドンデン返しでよかったですね。終盤のガチャガチャした描写もあえてそうさせて混乱させてるのかなと思います。やっぱりアクションとホラーは劇場の大画面で、他の観客の反応と一緒に楽しむものだと思うので、観に行けてよかったです。

ただ一つ、エンディングに流れる主題歌はいらなかったですね。ここはなくてもよかった。色々あるのかもしれないんですけど、せっかくの余韻がちょっと冷めちゃうなあと思いますね。そこだけはちょっと不満かな。