たびたび読み返す漫画の紹介。
クローズのように映像化された作品と比較して過小評価されているような気がするので評価したいです。
サムライソルジャーとは
若さと無謀が交錯する街、東京・渋谷に「凶竜」と呼ばれた男、藤村新太郎が帰ってきた!! 最強不良集団「ZERO」の頭、桐生達也の「統一宣言」で、一気に血の匂いが充溢する渋谷!! 元・「ZERO」メンバーの新太郎は争いの渦中へ少しずつ…!? 無軌道な暴威が紡ぐ、ギャングスタ抗争物語が今、幕を開ける…!!
要は渋谷を舞台にした不良たちの構想を描いた漫画です。「不良」は半グレと言えばいいんでしょうか、暴力団に属している訳ではなく、かと言って高校生の年齢でもない。20代前半くらい?の連中です。
画力がすごい
初期はチャンピオンの喧嘩漫画みたいだった絵柄も物語が進むにつれて洗練され、写実性もありつつちゃんと漫画としての動きも表現されているハイレベルな作画になっています。
最初はギャグっぽい
劇画調になっていきます
用語がすごい
なんというか、内なる不良心をくすぐるワードがいいんですよね。不良は「不良(ガキ)」とルビを振られてます。あと作中の不良(ガキ)たちは各人バラバラに活動している訳ではなく、それぞれがチームに所属しています。主人公の藤村新太郎が所属する(藤村は脱退)「ZERO」、「マーダーコープ」、「紅蓮」、「神南警備隊」「バトルアックス」、あと彼らが倒す目標としていた極悪集団「カオス」など。
渋谷のチーム紹介
魅力的なキャラがすごい
各チームには当然頭がいるんですが、彼らは渋谷でも有数の喧嘩自慢、通称「渋谷十二鬼衆」と呼ばれる“鬼”たちがそれぞれ男を張っています。
主人公の藤村新太郎
藤村とともに「ZERO」を創った桐生達也
渋谷十二鬼衆のみなさん(一部)
物語の終わり
サムライソルジャーはメディアミックス化されればもっと人気が出てもおかしくなかったと思っているんですが。残念ながらそうはなりませんでした。中盤までは紹介したような不良同士の抗争劇だったのですが、後半になると「大人」たち、つまりヤクザが絡んでのきな臭い陰謀が渦巻くようになってきます。
渋谷の不良(ガキ)たちはもともと「大人の世界」を嫌い、本音ではいつまでも「ガキのままでいたい」と考えています。しかしいつまでも不良=ガキのままではいられない。いつかは大人にならなければならない時がきます。
渋谷の不良(ガキ)たちが最後どうやって不良を卒業し、大人になっていくのか、その決断は…ということでクライマックスを迎えていくのですが、物語の締め方が正直「急いで風呂敷を畳んだ」ようにしか見えないんですよね。
主要キャラのその後があんまり描かれていないし、1巻から登場してた渋谷十二鬼衆の中でも最後は名前すら出てこないキャラがいて、その点ははっきり不満が残ります。
ただ、コミックスでまとめて読んでみると、一応話はしっかり完結させていますし、話のコンセプトとしても綺麗にオチはついたかなということで、僕としては大好きな作品です。