Elecmanのブログ

日々の雑記

なぜ戦艦大和は造られなければならなかったのか?(『アルキメデスの対戦』)

「美しい」日本の象徴たる戦艦大和の建造を阻止せんとする数学者の戦いを描いた話。正直食わず嫌いで観ていなかったのですが、めちゃよかったです。

我々は先の戦争で戦艦大和、および旧日本軍がどのような末路を辿ったかを知っています。そしてこの話は史実として起きた「戦艦大和の建造と撃沈」そして日本の「敗戦」という動かせない事実がまず下地にあります。つまり主人公である櫂直がどのような活躍をしたとしても、最終的には大和は造られてしまうし、その後の壊滅的な未来が待っていることもわかっているわけです。この状況でどのように物語を収束させればよいか、という構造的な難題を解決しなければなりません。

この難題に対して山崎貴監督は非常にアクロバティックな論理を持って解答を出します。大和という「絶対に沈まない」「日本の象徴たる」戦艦を造ることがどんな意味を持つのか?なぜこんなものを造る必要があったのか…?本作の敵役である平山造船中将が語る「論理」に、櫂は最終的には屈服することになります。この展開は非常に震えました。同じく美しい兵器に取り憑かれた男の話としては宮崎駿監督の『風立ちぬ』があるかと思いますが、あの作品での堀越二郎(技術者)は無垢の存在であり、兵器として使ったのは軍部なので彼は無罪、というスタンスが非常に欺瞞的だと感じていたんですね。

これに対して『アルキメデスの大戦』の櫂は、その後訪れる決定的な破滅を予見した上でなお、戦艦大和の建造に明確に加担します。彼は美しい戦艦を造ることを選択し、その結末を見届けることにしたのです。物語は真珠湾攻撃成功後、つまり旧日本海軍の絶頂期で幕を閉じるのですが、大和の進水式で隊列に並ぶ櫂はすでに他の軍人たちに埋もれてしまっています。船を降り、海に浮かぶ大和を見て「僕はあの船が日本そのものに見えるんだよ」と涙する櫂と、曇天の中海原を進む大和の姿を見て、日本というものの得体の知れない闇を感じ、暗澹たるカタルシスを感じたのでした。

 

夜間ミルクどのタイミングであげるか問題

夜、寝ている子供にどのタイミングでどれくらいのミルクを投入するか問題を考えています。

最初は機械的に3時間ごとにあげてればよかったんですが、最近は夜に長い時間寝てくれるようになったので、ミルクをあげるタイミング、および量が不規則になってきています。生後1ヶ月程度であれば、7:00→10:00→13:00→16:00→19:00→22:00→1:00→4:00でそれぞれ80〜120mlあげていればよかったのが、最近は量もタイミングも大分崩れてきました(我が家は完ミ育児)。将来的なことを考えると、夜間はしっかり眠れるようになって欲しいので、夜は多めにミルクをあげて、できるだけお目覚めの回数を減らしたい、できれば早めにしっかり寝れるようになってほしいんですよね。

例えば20:00に多めにミルクをあげた後、3時間以上経っても起きない場合、判断が難しいところです。中途半端な時間に起きてしまうかもしれないし、下手に起こすとその後寝れずに大泣きタイムになる可能性もあって、どちらになるか判断がつきません。基本的には下手に起こさずに寝てもらうほうがいいと思うのでそのまま寝ててもらうんですけど、ミルクを用意していないところで唐突にパッとお目覚めする時もあるので、一応ミルクは用意しつつ待機して見守りしてます。

今日はこれだけ。

 

もうすぐ生後3ヶ月

タイトル通りなんですけど、子供が生まれてもうすぐ3ヶ月になります。最初の頃と比較して、こんな変化があったよという記録です。

笑うようになった

一番嬉しいのはこれです。産まれて毎日子供の顔を見ているんですが、2ヶ月半を過ぎたあたりから笑うようになってくれました。例えばこっちが「うふふふ」と子供の顔の近くで笑いかけたり、メリーやベビージムを見ている時にはっきりと「キャキャキャキャ♩」とご機嫌に笑ってくれるようになりました。やっぱり笑いかけてくれるのってすごく嬉しいですよね。

こちらを目で追うようになった

子供と目が合って、それでこっちが移動すると目で追ってくれるんですよ。最初は気のせいかなと思ったんですが、「はっきりこちらを目で追ってる!気のせいじゃない!」ってなった瞬間は感動しましたね。成長したなあと感慨深いです。そのせいで子供の近くを何往復もしてウザがられてます。

右手を「発見」した

よく手をしゃぶったり舐めたりしてたんですが、手を「見る」ようになりました。「ハンドリガード」と呼ばれる発達の過程で見られる仕草だそうで、視力その他諸々の発達が進んでるんだなと。これ、あんまり見せない子供も多いらしいので、見れてラッキーだなと。

 

いないいないばあ100連発をやってどれくらい反応してくれるか、動画でも撮ってみようかなあ。次はどんな成長を見せてくれるのか、楽しみです。

無数の声なき声が叫ぶ怒り(『肉弾』)

『日本のいちばん長い日』の岡本喜八監督の戦争体験を基にした戦争喜劇映画。戦争末期の日本のどうしようもなさ、哀しさを特攻兵の「あいつ」の目線から戯画化して描き出しています。

「神」になれても明日はない兵士

「あいつ」は特攻兵の訓練をしていますが、腹が減って仕方がありません。やむを得ず盗みに入って区隊長に「それでも人間か」と問い詰められて「牛であります」と答え、飯を増やすよう意見したら「豚」と呼ばれ素っ裸で訓練させられる。自身に特攻を命じた学校長によって人間をすっ飛ばして「神」になります。

自分に特攻を命じた老人は老後を豊かに過ごすべくトラックで去っていくのに、「あいつ」には未来がありません。特攻で「神」になるため明日はないからです。「あいつ」は独白で語ります、 「それだけだ。本当にそれだけだ。人から牛になり、牛から豚になり、豚から人間に帰ろうと思ったら一足飛びに神様になっちまった。それだけの話だ」。

人間でいたい

この物語の前半は特攻隊任務前日の外出許可が出た一日の話ですが、その日は一日中、ずっと雨なんですね。「あいつ」は死ぬ前に女性を抱きたいと女郎部屋に向かうんですね。そこでヒロインの「うさぎ」と出会うわけですが、その前に印象的な場面があります。

雨なので当然傘をさしているのですが、特攻に行くなら「神」なんだろ、だったら神らしく傘なんかさすなと言われるのです。それに対して「あいつ」はこう返します。「明日から神になるので、今日は人間らしく、雨が降ったら傘をさしていたいんです」。もうすぐ死んで「神」になるのに傘をさすことすら咎められるなら、特攻に行く意義って何なんでしょうか。

どうしようもない特攻兵器

ところで「あいつ」が乗る特攻兵器。まあ馬鹿馬鹿しいものでして、最初は対戦車の人間地雷だったのが、結局は海にぷかぷか浮かぶ妙なガラクタに乗ることになります。「回天(人間魚雷)」と「震洋(小型特攻ボート)」と「伏龍(人間機雷)」の最もアホらしいところを合体させたもの、という感じです。結局戦争が終わったのも気が付かずに、使うことすらなかったわけですが。

「馬鹿野郎」

この映画、個人的には期待して観始めたのですが、ほのぼのしたBGMに合わせてとぼけたやりとりが続き、中弛みもあって正直なところ、あんまり面白いとは感じませんでした。しかし、岡本喜八監督がどうしてもこれを創らなければならないという迫力と、根底にある感情はひしひしと伝わってきます。

戦争が終わって平和になり、海水浴客で賑わう海の中でたった一人、「あいつ」は「馬鹿野郎」と怒号しています。「あいつ」以外でも、この映画の登場人物には固有名がありません。まるで、あの日声をあげたくてもそれを許されなかった、無数の人たちの怒りと哀しみを表しているかのように。もしかしたら、彼らは今でも叫んでいるのかもしれません。「馬鹿野郎、馬鹿野郎、馬鹿野郎」と。

 

ITパスポートが終わって次に何をしようかな

定期的に試験受けるのいいよね

8月19日の朝にITパスポートの試験を受けてきました。基準点は超えていたので合格したということにしておいて、次に何をしようか考えました。

取り急ぎ英語の勉強は引き続き続けるので、TOEICもいいのですが本格的に英検準一級に向けて勉強してみようと思います。あとはITパスポートの延長として基本情報技術者試験を受けようかなと思い、テキストを買ってきました。

基本情報技術者、ITパスポートの上位互換的な試験なのでITパスポートの勉強からスムーズに移行できますし、そもそもITパスポートを受験しようと思ったきっかけの「IT周りの基本知識をちゃんと学習する」ことがまだ達成されていないように思えるのでもう少しインプットを続けたいのもあります。まだ過去問に手をつけていないのでどれくらいで合格水準までいけるかがわかりませんが、まあやっていきます。

子供の初予防接種に行ってきました

初めての予防接種ということでどんな感じだったかの備忘録です。

案内が送られてくるありがたさ

子供が産まれて色々な手続きをして改めて実感するんですが、きちんと手続きをすればこういった公共からのいろんな案内が送られてきて、それに従っておけば概ね問題ないというこの仕組み、本当すごいなあと毎回感心させられます。正直これがないと何をどうやって進めていいかまるでわかりません。インターネットが発達した今なら検索すれば情報は取れるんでしょうが、だからと言って各人任せにできる問題ではないしネットがなくたってやらねばどうしようもありませんので、やっぱり国が情報を管理して色々やってくれるありがたさ、先人たちの様々な取り組みと人類の集合知の凄さをありがたく享受したいと思います。

初予防接種だあああああ

ということで子供を連れていざ病院へ。台風直撃の日なんで予約取り直すか迷ったんですが、朝の時点でそこまで酷いことにはならなそうだったので予定通り病院に行くことにしました。子供は生後2ヶ月余りということで、ほとんど外に行くこともなく過ごしてる箱入です。台風の日の風の強さにびっくりしてましたね(幸い雨はほとんど降っていなかったがやっぱり風はそれなりに強かった)。

病院に着くと事前に準備していた接種に関する書類を提出して待合室に。すでに予防接種を受けたご家庭の方がいらっしゃったので軽く談笑できました。

「寝てる隙に気が付かないように接種とかできますかね〜」

「うちの子めっちゃ泣いてゲボ吐いてたんで着替えさせました」

「あっそうすか」

という和やかな会話の後、いよいよ診察室へ。まず先生からそもそも予防接種をこの時期に受ける意義やスケジュールについて今一度説明をしていただき、いよいよ人生初の注射体験(B型肝炎、肺炎球菌、5種混合の3本注射と経口接種のロタウイルスワクチン)。注射3本ってどうやって打つんだと思ってたら、両脚と腕に1本ずつ注射でした。赤ちゃん用の注射とかあるのかなと思って見ていたら、普通の注射が出てきました。「えっ、あれ赤ちゃんに打つの?アフロ田中で予習してたけどガッツリ普通の注射じゃん」と思う間も無く1本目ぶすり→子供号泣→2本目ぶすり→子供号泣→3本目ぶすり→子供号泣というスピーディーな対応でした。3本接種で多分、3分もかかってないんじゃないかしら。うえーーーーーーーーーーーんと泣いてる子供を見てこっちも泣きそうでした。

泣いてる子供を抱っこしてロタウイルスの経口接種ワクチンを飲んでる最中も飲み慣れていない味だったのかひとしきり泣いて接種完了。副反応が出ないかの確認で30分ほど待合室で待機した後に次回の予約について説明を受け、窓口で日程を決めて終了という流れでした(案内に従って出した紙のおかげで無料)。細かいことですが、予防接種した当日も普通に沐浴はしていいそうです。しかし次の予防接種が来月になるので結構忙しないなこのスケジュール…。

注射って嫌よね

大人になってからも注射って嫌なもんだと思ってますが(コロナのワクチン接種嫌だったし)、これが子供になるとそりゃトラウマになるよなあ、と改めて思いました。正直訳の分かってない赤ちゃんの頃に一通りの注射イベントは全部終わらせた方がいいなとは思いますが、赤ちゃんからしたらいきなり感じたこともない「攻撃」が連続で来るわけでこれも厳しいよなあ、と。

しかし同じ時間に来てた3歳くらいの子供がハチャメチャに泣いてるのを見てますと、うーん嫌がる子供を連れてくるよりかはマシか…ともなりますね。頑張った子供を抱っこしつつお家に帰りました。

 

 

 

『劇場総集編ぼっち・ざろっく!』を観てきたよ

早くこれになりたい。

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劇場総集編と謳われている通り、内容はテレビアニメ版と同じです。ただ、絶対に劇場で観る価値があります。

見せ場となるライブシーンはやはりでかい劇場で他のオタクに囲まれて観るのがいいんですよ。「星座になれたら」演奏シーン(とその後)は必見ですよ(あの演出ってアニメ版だとどうだったっけ?)

結束バンドの面々、リョウも格好良かった(しクズだった)し、虹夏ちゃんは相変わらずママだったのが素晴らしかった。 ただやっぱり喜多ちゃん→ぼっちちゃんの関係性がかなり強調されてたのがいいですね。なんだよもう、あんなのさあ…俺もアレになりてえよ…!

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これになりてえんだよ俺は…!

 

 

あ、喜多ちゃん以外だとやっぱりきくり姉さんですね。総集編なので結束バンドだけでなく、もちろんSICK HACKの演奏も堪能できます。外伝の深酒日記読んでると、きくり姉さんが自分の学生時代のことを踏まえて、後悔しないようにぼっちちゃんの背中を押してあげてる背景がわかるので、酒飲んでグダグダになってる背景でこんな心情だったんだなあ…となってエモいです。