Elecmanのブログ

日々の雑記

全ての働く人へ:『ブルーカラー・ブルース』(タカ)

ブラックな建築現場で勤務した著者の実体験を基に描かれたブルーカラーのお仕事と転職活動記

画力は低いです。絵を描き始めたばかりの人が描くような感じ。話の進め方も実体験だけに真に迫ってはいますが、取り立てて優れたものがあるとは言えないと思います。

ただ、何か得体の知れない迫力があって、買った当時は何回も読み返してました。これがどれくらい実態に近いのか、今はどのくらい改善されているのか分かりませんが、少なくとも読んだ直後に工事現場関係の就職をしようとは思わないはずです。ていうか働きたくねえ。

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暴力や恫喝も日常茶飯事で、後輩が「飛ぶ」前後の話は胸がキュッとなります。おそらくは著者が身をもって体験した、現場の一面の真実なのでしょう。

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こんな過酷な環境に耐えられなくなった主人公は会社を退職し、転職活動に臨むことになるのですが…という話。結局全く別分野への転職が決まり、希望のある終わりにはなっています。著者本人が後書きで書いているのですが、建築現場の負の側面がかなり強調して描かれていますし、そのため後半の「今思えばいい勉強をさせてもらいました」というくだりにあまりリアリティが持てないというか、「普通にこれ訴えろよ」という感想になってしまいます。

そんなわけで不満点もありますが、今日もどこかで誰かの仕事があって、それで社会は周っていくことを感じさせてくれます。著者のタカさんはこれ以降商業化された作品は多分ないみたいですが、あれから年月も経って、今の職場はどんな感じですか?ってお話してみたいですね。