上野の国立西洋美術館で開催中の「キュビズム展 美の革命」に行ってきました。
ピカソとブラックという2人の芸術家が生み出した新しい表現の可能性としての「キュビズム」が世界中に広まり、以降の芸術の多様なあり方に決定的な影響を及ぼした…と、wikiを見れば大体そんなことが書いてあるものの、実際にキュビズムの作品を見ても何がすごいかよくわからない程度の感受性の持ち主が見てきました。
多分ですが、全く準備しないで行くよりもYouTubeで山田五郎さんの動画を見てから行った方がいいと思います。ちょうどコラボ動画を出してくれてます。なぜセザンヌが近代芸術の父と言われるのか、なぜ訳のわからない絵にしか見えないキュビズムの絵が芸術に革命を起こしたと言われるのか、そのあたりのことを実際の作品を交えて解説してくれているので、「これ見たやつだ!」を実感しながら鑑賞できます。写真撮影OKだったものをパシャパシャしつつ見てきました。
「訳わかんない」と言う感想をお持ちの方も多いキュビズムの作品ですが、実際に見てみるとデザイン的に格好いいものも当然いっぱいあります。例えば↑はジョルジュ・ブラック「果物皿とトランプ」という作品なんですが、モダンなデザインで見てて飽きない。
ロベルト・ドローネー「パリ市」
キュビズム全体で見ても圧倒的な大きさの大作で、原画の大きさは267×406cm。ピカソの「ゲルニカ」が349.3×776.6cmなのでさすがにそれよりは小さいですが、それでも横400cmを超える作品は圧倒的な存在感でした。
余談ですが、館内で蘊蓄を話している人が数人いたのですが、妻によると「同じ内容(山田五郎さんの動画の内容)を話していた」とのこと。山田五郎さんの影響力すげえ…。
キュビズムは創成期の「セザンヌ的キュビズム」からピカソとブラックが実験的創作を続けていた「分析的キュビズム」ときて、次に「総合的キュビズム」へと時代が移っていったようです。そして第一次世界大戦後にキュビズム以後の芸術運動として「ピュリズム(純粋主義)」というものが出てきました。これはより機能性を「純化」した絵画の必要性を訴えた芸術運動で、幾何学的な空間性を特徴とした作品が多く、どちらかといえば現代に生きる我々にとって見た覚えのある建築物などが登場します。
1925年のパリ国際装飾芸術博覧会に出展された「エスプリ・ヌーヴォー館」がその記念碑的な作品なのですが、こういう感じの建物、既視感ありませんか?どちらかというと、現代に生きる人が住んでる建物に近いですよね。
実は東京に住んでると、代表的なル・コルビュジエの作品を近くで鑑賞することができるんですよね。実は展示会の舞台である国立西洋美術館は彼の設計だそうです。キュビズムのもたらした芸術運動が現代まで強い影響を及ぼしていることにハッと気付かされて面白かったですね。
キュビズムを見に行ったのですが、ル・コルビュジエについて俄然興味が湧いてきたので追ってみようかなと思いました。